これを語りたい

自己啓発本は個人の体験記でしかないので「へー」くらいのノリで読むのが丁度よい

Twitterを見たら何やら自己啓発本がトレンドになっているではありませんか。

今夜は急遽、予定を変更して

大学時代、自己啓発本大好きだった私が自己啓発本について思うところを語ってみます。

自己啓発本は成功体験記

自己啓発本は成功体験記である。

これが大学時代、自己啓発本を読み漁った私の結論です。

つまり伝記みたいなもん。

エジソンとかアインシュタインとかの伝記あるじゃないですか。

あれの現代版です。

その作者個人の成功をそれっぽく名言化して

こうすれば成功する

こうすれば幸せになれる

ということをすごく極端に言ったお話です。

言うまでもありませんが、嫌われる勇気を持ったり、メモの魔力を身に付けるだけで人生は変わりません。

あくまでも個人の成功体験を極端にして面白くした読み物であると思っておいてください。

ちなみに極端に言う方が面白くそれっぽく聞こえるのです。

デキる人間になった「気がする」

あくまでも個人の体験記でしかない。

しかし一度その道に足を踏み入れてしまうと何人かの人はその沼から抜け出せなくなります。

なぜか。

それはデキる人間になった気がするから。

本を読んだ瞬間だけは、その作者の擬似体験ができるので、なんだか自分でもできる気がしてきます。

例えば

今でこそ、年商何億だけど最初の頃は普通の会社員でした。

でもメモの魔力を身につけてから、(あるいは嫌われる勇気を持ってから)は人生が180°変わり今ではとても幸せな人生を送っています。

こんな私でもできたのだからあなたにもきっとできるはず。

そうすると真面目なあなたは思います。「ああ、この人について行こう。」

そうやって、その作者の考え方にハマっていくのです。

「嫌われる勇気」や「メモの魔力」はあくまでも話の引き合いに出してるだけであって悪意はありません。自己啓発本で有名なものを持ってきただけです。

本を読むことの良さ

本を読むメリットは新しい何かを知れる事です。

そうして色んな考え方を知る事で、一つの事に対して色んな見方ができることにあります。

皮肉にも自己啓発的な言い方になりますが、

この色んな見方ができる事こそが幸せになるための必要条件といっても過言でありません。

なぜでしょう。

それは1つの考え方に固執する人は嫌なやつになるからです。

例えば

「新婚旅行は温泉に行こうと思って」→新婚旅行に温泉とかあり得ない。普通海外でしょ。お金ないの?

「趣味は特撮ヒーローを観ることです」→いい年して特撮はないだろ…

ね?嫌なやつでしょ。

また、それ以外を許せないと言うことは自ずとストレスが溜まりやすくなります。

「新婚旅行は温泉でもいいんじゃない?」→ありえないでしょ?ふけないで!

「プラモデルを集めるのが好き」→こんなにガラクタばかり置かないで!家が汚くなるでしょ!

ケンカが絶えないことでしょう。

ちなみに新婚旅行に温泉はどうかと思います。極端な話です。

鵜呑みにしてはいけない

このように本を読む事で色んな考え方、見方が身に付いて人生が豊かになる助けになる。

これが本の良さの1つです。

ところが、皮肉にもその本にのめり込んでしまうとその作者の考え方が全てになってしまい、他の考え方を寄せ付けなくなります。

この作者が言っている事が正しい。

この人の言う通りやれば間違いない。

絶対成功する

だから君も一緒にやらないか?

怪しげな勧誘の出来上がりです。

引用:集英社「鬼滅の刃」吾峠呼世晴 8巻

客観的な見方を身に付けるはずの読書で主観的な考え方しかできなくなるのは悲しい限りです。

負ける共通点を探る

多くの自己啓発本では自身の成功体験を煌びやかに語り、読書を魅了します。

しかしながら、成功というのは得てして思いがけない奇跡が起こるものです。

たまたま景気がよかった。

テキトーに呟いたツイートがバズった。

テレビで取り上げられた。

つまり、運の要素が絡んできます。

もしあなたが本気で成功したいなら、成功する人よりも負ける人の共通点に着目すべきです。

以前、東進ハイスクールの林修先生がおっしゃっていた言葉が実に的を得ているので参考にして下さい。

歴史ってねえ、派手に勝ってるやつのほうにイメージいかない?

なんとかの戦いでナポレオンが勝ったとか、織田信長が勝ったとか……。

あんまりそこね、見なくていい。

勝つときってね、とんでもない偶然が起きる。

野球の試合とか見てても思わない?こんなときにこんなプレイ出て勝つか!?みたいな。

でもね、負けるヤツって意外と共通なんですよ!

俺の47年の経験で、敗因は3つだな、と。

他にもあるけど、この3つがほとんど。

「情報不足」

この資金で勝負していいのか?これだけの人数でやっていいのか?

情報がきちっとしてれば、まずそこで、この戦いやったら負けるとかね、分かる。

あと2つは、

これでいいはずだ、という「思い込み」

俺はできるよ、という「慢心」

引用:「テレビシャカイ実験 あすなろラボ」フジテレビ

まとめ

自己啓発本そのものは実にためになる本です。

ですがそれを鵜呑みにしてしまうと本末転倒です。

それが本当にそうなのか。常に疑ってかかる力もまた必要なのかもしれません。

本日の名言

貴様の下らぬ観念を至上のものとして他人に強要するな

ー悲鳴嶼行冥 「鬼滅の刃」