日常を読む

集中力が続かない?その原因、スマホかもよ

映画を観てても10分しか続かない

1時間は集中して勉強しようと思っても気付けばスマホを触ってしまっている。

すぐに他のことに気が散って仕事に集中できない。

そんな悩みを抱えている社会人は多い。

なぜでしょう?

それ、スマホのせいです。

今夜は、アンデシュ・ハンセン氏の「スマホ脳」より我々がなぜ集中力が続かないのかを見ていきましょう。

スマホが集中力を奪う

今や当たり前となったスマートフォン。

たった一つの機械で

電話

メール

動画

音楽

読書

ネットサーフィン

などなど

ありとあらゆる事ができるまさに夢の様な道具です。

100年前どころか、10年前の人からするとドラえもんの道具そのものでしょう。

ところが、その便利さがあなたの集中力を奪っているのです。

脳はマルチタスクが大好き

スマホはそれ1つであらゆる事ができる。

まさにそれこそが集中力を奪う原因だったのです。

例えばスマホで映画を観ていたとしましょう。ところが10分くらい経ったところで友達からのLINEがピロンっと鳴る。

また10分ほど観続けていたら今度はインスタから良いねが届く。

インスタの処理を終えてさぁ映画に集中しようとしたら、今度はふとネットニュースが気になり始める。

そうやって気付いたら全然映画に集中できていないなんてことありませんか?

もはやスマホで2時間まるまる映画を観るなんて至難の業です。

スマホ内でのアプリからアプリへの切り替えだけでなく、

例えば仕事をしている時も

勉強をしている時も

恋人や友達と話している時も

LINE、Twitter、YouTube、…

あなたはポッケに入ったスマホが気になって気になって仕方がないのです。

脳を麻薬中毒にするスマホ

なぜ我々はこんなにもスマホが気になるのでしょうか。

それはスマホを触っていると脳の快楽物質であるドーパミンが放出されるからです。

ドーパンとは脳内麻薬と言われている脳の神経伝達物質です。

脳は常に新しい情報が大好きです。

これは原始時代にたくさんの情報があればそれだけ生き残る可能性が上がったからです。

人間の脳は本質的には原始時代とあまり変わりありませんから、いつ、どこから襲われるか分からなかった原始時代には、1つの事に集中しているよりも色んな事に気を向けている方がより安全だったのでしょう。

だから、脳は一つのことに集中するよりも、映画もLINEもメールもネットも全部したいんです。

スマホはこのような人間の脳の特性を巧みに利用します。

また、脳は情報そのものよりも新しい情報が手に入る「かも」といった不確実なものに大量のドーパンを放出します。

例えばギャンブルなんかが良い例です。

ギャンブルはたまにしか勝てないからこそ夢中になってしまうのです。

勝てる「かも」といった期待に中毒になってしまうわけです。

これをうまく利用したのがSNSです。

実はSNSを使っている時よりもSNSの通知音が鳴った時の方が沢山のドーパンが出ます。

いいね!を貰うと自分は人気者なんだという承認欲求が満たされます。

もっといいね!が欲しい、もっと多くの人に認められたい。

いつしか、いいね!をもらう事が快楽と直結してきます。

そうすると今度はいつ、どこでいいね!という通知が来るかもしれない。

脳の関心は常にポッケの中のスマホに集中します。

なぜならそれは、無限に快楽を感じさせてくれる麻薬の様なものなのだから。

以下、本文の引用です。(一部改変)

チャットやメールの着信音が鳴るとスマホを取りたくなるのは、大事な連絡「かもしれない」と思うからだ。

大抵の場合、着信音が聞こえた時の方が、実際にメールやチャットを読んでいる時よりもドーパンの量が増える。

「大事な事かもしれない」ことに強い欲求を感じ、私たちは「ちょっと見てみるだけ」とスマホを手に取る。しかもこれを頻繁にやっている。起きている間じゅうずっと、10分おきに。

アンデシュ・ハンセン. スマホ脳 :新潮新書,2020,p.77

…なるほど、これでは集中できませんね。

スマホと上手く付き合うには

便利だけど害も大きいスマホ。

正しく対策を知ることでスマホ中毒から抜け出しましょう。

①手の届かないところに置く

SNSの通知が気になるならOFFにしとけばいいじゃん。

残念ながらそんな簡単な話ではありません。

スマホは脳内麻薬あるドーパンを日に何百回と放出する機械です。

サイレントモードにしてポッケに入れておくくらいでは全く効果はありません。

ポッケに入っているということが無意識の中で脳が知ってしまっています。

そうすると、無意識のうちにスマホを無視するために集中力を割いてしまいます。

結果として、集中力が低下する事に繋がります。

月並みですが、集中したい時はスマホは他の部屋に置くなど目の届かないところに置くようにしましょう。

②運動というスマートな対策

本書で1番オススメされているのが運動。

多くの人がストレスを受け、集中できず、デジタルな情報の洪水に溺れそうになっている今、運動は最も良い対策であるといいます。

それはなぜか、

理由はやはり脳の作りにあります。

前述した通り、脳の仕組みは原始時代と大きく変わっていません。

その時代は狩りをする時、あるいは猛獣から逃げる時に集中力を発揮していました。

当然ですよね。命に関わるわけですから。

そして獲物を追っかけたり、猛獣から逃げたりしている時というのは、当然めちゃくちゃ運動しています。

つまり運動と集中力というのはセットだったということです。

さて、運動が集中力をつけるために良いということが分かったところで、どんな運動が良いかみていきましょう。

結論からいうと何でも構いません。

本書によるとたった6分間、体操するだけでも集中力が増したり一つの事に注意を向けるのが上手くなったといいます。

だから、散歩、ヨガ、ランニング、筋トレ、

あらゆる運動が集中力に対して効果があると言います。

ちなみに1番良いのは週に2時間程度は時間をかけることだそうです。

もちろんそれ以上の時間をかけても大丈夫です。

仕事ができるビジネスパーソンを目指すなら是非、運動習慣を身につけたいところです。

まとめ

集中力が続かない。その原因はスマホにあるかもしれません。

勉強や仕事に集中するためにも、スマホを使う時間は決めて、適度な運動を心がけましょう。

今夜の名言

できるだけ長い時間その人注目を引いておくにはどうすればいい?

人間の心理の弱いところを突けばいいんだ。

ちょっとばかりドーパンを注射してあげるんだよ。

フェイスブック社元CEO  ―ジョーン・パーカー