メイド喫茶 それは日本が誇るオタク文化の1つである。
入店するやいなや、何やら見慣れないフワフワした服を着た、可愛い女の子たちが「お帰りなさいご主人様〜」などと言いながら迎えてくれる。
そして萌え萌えキュンキュンという聞き慣れない擬態語が飛び交い、終始酩酊状態であるかの様な気分になる異空間である。
ひと昔前はオタクの代名詞の1つであったこのメイド喫茶ですが、近年は広く認知されカップルや女性客にも気軽に利用される様になった喫茶店の一種です。
そんなメイド喫茶に始めて友達と行って来ました!!
メイド喫茶の感想はまた別の記事に書くとして、今回はメイド喫茶から考えたグローバル社会で生き残る術をお話しします。
破れたオムライス
お帰りなさいませーご主人様という“いらっしゃいませ”の声を聞きながら席に着きます。 渡されたメニューには普段よく見る飲み物や食べ物に、“もぉ〜もぉ〜ちゃんセット”や“ささやかな萌え”など普段全く見ない奇妙な名前が付いています。
メイド喫茶といえばオムライス! と思った私は迷わず「お絵かきおむらいす♡」を注文しました。
お絵かきオムライスではありません。お絵かきオムライス “ハート”です。
値段は1200円 ちなみにポムの樹の定番ケチャップオムライスが950円です。 おお、ポムの樹より高い、、、 なんてせこいことを考えていたらしばらくして運ばれてきました。お絵かきオムライスハート。
…破れている。
たまごの一部が破れている。それをパセリで雑に隠してある。
ポムの樹より高価なオムライスのたまごが破けている。 なんてこったと失意に浸っていると、次の瞬間 決してポムの樹では起こりえない現象が起こりました。
萌ーえ萌ーえキュンキュン美味しくなーぁれ♡
なんと、オムライスに美味しくなる魔法がかけられたではありませんか。 一口食べてみると、、、美味しい。 ポムの樹に勝るとも劣らない美味しさ、、、な気がする。
魔法は700円なり
さてふつうのオムライスを500円と仮定するとお絵かきオムライス♡とは約700円もの差額が発生します。 なぜ、同じオムライスに、なんなら破れたオムライスに1200円もの高価な値段が付くのでしょうか。
それは萌え萌えキュンキュンなオムライスだからです。
理由になってませんか、、、 いや、私はまじめです。
もし仮にこのオムライスがふつうの喫茶店で出された場合、1200円なんて値段を付ければ確実に売れません。 しかしながらメイド喫茶において可愛いメイドさんが魔法をかけると500円のオムライスが1200円のオムライスへ変身する。 文字通り魔法です。
変身する前と後で値段が変わる。 そうするとその差額を決めているのは萌え萌えキュンキュンだということになります。
すなわち萌え萌えキュンキュンには差額分の約700円の価値があるという事になります。
付加価値という武器
私たちがある商品を買うとき、 高度にグローバル化した現代社会では、一定の基準を満たしていればそこから先は品質ではなく価格の安さが重要になってきます。
例えば、牛丼。 月に1度か2度食べるぐらいの普通の生活者にとってチェーン店の味の差はあまり気になりませんし、そもそも分かりません。 そんな細かい味を気にしているのは、各牛丼会社と「松屋と吉野家とすき家の牛丼食べ比べてみた」とか言っているYouTuberくらいでしょう。
私たちが牛丼に求める条件は「それなりに美味しくて、腹一杯、安い値段で食べられること」となります。 すなわちある一定の味さえ満たしていれば、そこからは美味しさより安さを重要視すると言うことになります。
同様に喫茶店業界でももはやコーヒーの味だけでは他との差が付きにくく、勝負できなくなってきたからこそ“メイド”というコーヒー+αという戦略を取ってきているのではないかと考えられます。 ひと昔前に比べてなになにバーやなになに喫茶というのが増えたように思います。
それはもはや普通のコーヒーや紅茶では他の店との差が限りなく小さくなり、差別化できなくなってきたために、メイドや猫、マンガなどプラスαの価値を付けることで他との差別化を図っているということです。
コモディティからの脱却
他の商品との差がなくなり、買い手からすればどれを買っても同じ状態になったものをコモディティと言います。 そしてそれは商品だけでなく、人にも起こるといいます。
誰でもできる仕事、他の人で取り替え可能な人は商品と同じ様にどんどん価値が下がっていきます。 そのため、自分にしかない付加価値を持つ事が大切になります。
まさに普通の喫茶店の店員と差別化したメイドさんのように。
自分にしかない付加価値というと難しく感じますが、今の時代は自分の好きな事をすれば良いと言われています。
そこで大切なのは好きな事を突き詰めること。自分がやっててワクワクするような事を他の人が追いつけないくらい圧倒的にやり込むことがポイントです。
例えばコンビニアイスが大好きなある男性はそれを突き詰めて、誰もマネできないレベルまで高める事でテレビ出演を果たしました。 特に今はブログだのYouTubeだのSNSだのわざわざテレビに出なくても発信するツールはたくさんあります。
好きな事を極めて発信する。これこそが今の時代の生き残り方です。
まとめ
メイドさんの様に 自分にしかない萌えキュンポイントを探してみて下さい。
“好きなことで、生きていく” -YouTube
参考文献
・僕は君たちに武器を配りたい 瀧本哲史
・多動力 堀江貴文