これを語りたい

入院患者さんへ、お仕事しませんか?

 私は普段、病院でリハビリの先生として働いています。

病院で働いていると外からは見えない医療の本当の姿というものが色々見えてくるんですが、 今回はそんな入院患者さんとAIを絡めたお話しを思いついたので紹介したいと思います。

今夜はこれを語ろうか

本日は高齢者×テクノロジーによる新たな可能性について

暇な高齢者

「○○さん、失礼します。リハビリの夏本です。」 毎日こんな掛け声の元、患者さんの部屋に入ります。 そうすると大抵の患者さんはテレビを観ているか寝ているかのほぼ2択です。

病院の患者さんは高齢者が多いため、よっぽど元気でしっかりされている方以外はこの2択になります。 なぜかというと決定的にやる事が無いからです。

つまり暇。

今の若者の様にスマホで暇つぶしができるわけでもなく、パソコンが使える訳でもなく、多くの時間を農業などの肉体労働に費やしてきた彼らにとって、体を動かさずに1日を過ごすというのは中々難しいのでしょう。

その結果、テレビを観るか寝るかといった過ごし方になるのではないかと思います。

これからの世界

話は打って変わってテクノロジーのお話。 5G、IoT、ブロックチェーンなど、聞き慣れない単語を目にする機会が増えてきました。 時代は確実に変わってきています。

これから先、テクノロジーが進化してどうなるか。 例えば5Gは通信速度がこれまでの100倍となり、通信速度制限がなくなります。我々は4Kや8Kの高画質な動画を速度制限を気にせず観ることができるようになります。

タイムラグや動画の読み込み中といったストレスから解放されてることでしょう。 さらにIoTという全ての物がインターネットに繋がっているという状態が訪れます。 テレビやパソコン、電話だけでなく車、冷蔵庫、靴、壁、、、、あらゆる物がインターネットと繋がっている時代が来ると言います。

ここまでくるといよいよドラえもんの世界に近づいてきたなぁという気がしてきます。 もちろん、タイムマシンやどこでもドアなどまだまだ今の科学では不可能な事も山ほどありますが。

ちなみに今、みなさんが見ているこのスマートフォンも実はドラえもんの道具の1つだって事は気づいていたでしょうか。

 テクノロジー×入院患者

さて、本題に入ります。 毎日寝るかテレビを見ているかの入院患者とテクノロジー。 一見なんの関わりもないこの両者ですが、この2つを掛け合わせることで今までにないビジネスが生まれるのではないかと思います。

具体的にいうと、最新のテクノロジーを駆使して患者さんに働いてもらうという事です。 入院患者にとって暇とは最大の敵なんです。

特にやる事もなく1日中ボーッとしているのは認知機能に絶大な悪影響を及ぼします。 その対策として病院や施設では塗り絵やパズル、レクリエーションなどをしたりしているところもあります。

しかしはっきり言ってしまえばそんな生産性のない事をしても仕方がない。 もちろんそれが好きな人は良いんです。 でも多くの高齢者が訳も分からないまま、施設の人にやらされているなんていうのはあまりに残念すぎる。

そこでそれらの代わりに登場するのがテクノロジーを使った仕事。 5Gで通信速度制限がなく、IoTの様に全ての物がインターネットに繋がっている状態となっている世の中であれば、

例えば習字が得意で、手は全然問題ないけど足を骨折して歩けない患者さんがいたとしましょう。 その人はやる事がなく1日中テレビを観ています。 ところがそこへインターネットを通じて仕事が舞い込んで来ます。

「その字の上手さを活かしてうちの会社の社訓を書いて欲しい」 そうするとその患者さんはインターネットに繋がった紙とペンで達筆な社訓を書きます。 それがネットを通じてリアルタイムで取引先に送られていく。

企業はそれに対して対価を患者さんに支払う。 企業は案件を低価格で外注できたし、高齢者は日中に生産性のある事ができたとwin-winの関係を築けます。

ここで患者サイドで大事なのは誰かの役に立っているという事です。

塗り絵やレクリエーションと違って、仕事するという事は即ち誰かの為になっているという事です。 現場にいれば分かりますが多くの高齢者は肩身が狭いと言われる事が往々にしてあります。

体が弱ったり認知症となったりして誰かに助けてもらう事が多くなり、誰かに迷惑をかけこそすれ誰かの役に立つ機会は殆ど無いと言います。 しかしこのテクノロジーを応用すれば病室からインターネットを通して誰かの為に仕事をする事ができるのです。

これはあくまで一例に過ぎませんが、医療や福祉の現場でもこんな風にテクノロジーが浸透していくのではないでしょうか。

まとめ

テクノロジーによって良くも悪くも我々は全く見たことない景色を目の当たりにすることでしょう。